

京都盆地の北端に位置する池と湿地からなる深泥池(みぞろがいけ)。
ここには多くの水生植物、昆虫、魚類、野鳥、哺乳類などが生息しており、中には氷河期以来の種も含まれている。
近年、ブルーギルなど人間が持ち込んだ外来種による在来種の絶滅や生態系の破壊が問題となっている。
湿地は市街地と国道に隣接しており、池の北西側を交通量の多い道路が走っているため、池では昼夜を問わず交通騒音(飛行機を含む)が聞こえてくる。都市ではよくある音風景ではあるが、氷河期にはどのような音が響いていたのか、現在に至るまでにどのように変化してきたのかを想像してみると、この混沌はその場所の澱(おり)として聞こえてこないだろうか。
edition. nordの秋山伸氏によってデザインされたパッケージには、深泥池周辺で採取した落ち葉などを同封。
□Track
1_Snowy Morning
雪が降り積もった冬の朝に録音
【サンプル試聴】https://soundcloud.com/byimmeasurable/001imm001
2_Midnight
真夏の深夜に録音
【サンプル試聴】https://soundcloud.com/byimmeasurable/imm001-02-midnight-intro-3-minutes-from-wetland-eisuke-yanagisawa
3_Underwater
ハイドロフォンで水中の音を録音
【サンプル試聴】https://soundcloud.com/byimmeasurable/001imm003
□柳沢 英輔 Eisuke Yanagisawa
1981 年、東京都生まれ。
専門は映像人類学、民族音楽学。
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。
博士(地域研究)。
主なフィールド録音作品に『Ultrasonic Scapes』(Gruenrekorder 2011)、『Music of the Bahnar People from the Central Highlands
of Vietnam』(Sublime Frequencies 2016)、『Path of the Wind』(Gruenrekorder 2018)、映像作品に『ベトナム中部高原のゴング文化』、『Pơ thi(ジャライ族の墓放棄祭)』などがある。
2019年11月に初の単著『ベトナムの大地にゴングが響く』(灯光舎)を上梓。